■革と友禅のコラボレーション

ワザビ社は、今までファッションアイテムを数多く生産してきましたが、純粋に、日本的な革靴を作ってみたいと思っていました。そこで、足袋そのものを革靴で具現したサンプルを作製。
サンプルは出来ても、まだ商品に出来る段階ではなかったときに、友禅職人グループのそめもようさんと出会います。

some-priという、オリジナル図案を忠実にデジタル化したデータに、とても魅力を感じました。
作家の手仕事をそのまま表現できるなら、単なるコピープリントとは違う商品ができる。そう考え、日本の伝統工芸の友禅と足袋を合わせた商品を企画。
海外の人たちにも伝統文化を伝えていけるのではないかと思っています。

そめもようのお二人がつくりたいデザイン、理想とするクオリティを再現。甲の部分だけでなく側面もプリント可能エリアとし、全面に図案を入れた左右で一枚の画にしています。

レザープリントは、YUSUKE TAGUCHI DESIGNの協力のもと、上質な革づくりと再現度の高いプリントレザーの技術をもつタンナーであるLEATHER LAB TOKYOで、友禅の繊細な柄を革に仕上げました。

伝統的な足袋の作りと革靴の融合

親指の股部分の形は試行錯誤しました。短いと足袋に見えず、深いと指が痛くなる可能性があるからです。
裏革を付けない一枚革なので、素足で履いても擦れたりしない処理を施しています。
また底材は、地面と触れた時に滑らないような素材を選択。ベルトも、かかとに引っかける高さや位置も何度も調整しました。

特徴として、モカのように外側にも敢えてハギを入れ、革が立たせて立体感が作りました。それゆえに、より足に沿った形になって、履き心地もアップ。外側のハギまで含めて、職人の技術で一枚画を実現しています。

東京友禅職人グループ“そめもよう”

大野深雪 町田久美子

日常生活で、だれもが気軽に楽しめる友禅を模索、提案しつづけている。着物だけでなく、デジタルプリントでさまざまなアイテムを商品化することで、伝統工芸を広め、後世に伝えたいと活動している。

そめもよう WebSite